THE A-SIDE

JOINT SESSION 特別対談

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  • SESSION02:

    矢矧利太郎×椎名茂

    データ×テクノロジーの最高峰へ

株式会社フロムスクラッチの経営・テクノロジーアドバイザーとしてお力添えいただくことになった椎名茂氏。NECでは人工知能を始めとした高度なテクノロジー領域の研究に従事し、その後はベリングポイント株式会社でマネージングディレクターに就任。プライスウォーターハウスクーパースではパートナーを経て、代表取締役社長に就任。現在はKPMGコンサルティング株式会社の代表取締役副社長を務める。「データ」×「テクノロジー」×「グローバル」の最先端の世界を見てきた椎名氏が語る「データ×テクノロジーを軸に世界で戦う企業の要件」、そして「フロムスクラッチの経営・テクノロジーアドバイザーとしてサポートすることを決めた理由」とは。フロムスクラッチ執行役員・矢矧利太郎との対談を通じ、今後のフロムスクラッチの成長可能性に迫る。

1. テクノロジーを加速させる集合知が生まれる組織

—はじめに、椎名さんがフロムスクラッチと出会った経緯を聞かせてください。

椎名氏 そもそものきっかけは、LINE元代表取締役社長、現C Channel株式会社の代表取締役の森川氏からの紹介でした。私が仕事をしているコンサルティング業界でも、企業のデジタルトランスフォーメーションというテーマはすっかりメインストリームの一つになっています。デジタルテクノロジーを駆使してどう戦略を立たてるか、企業を変えていくのか、という課題に日々向き合っています。しかもテクノロジーは日々進化し続けていますので、常に最新の情報をアップデートしておくことは必須です。そうした環境において、最新のテクノロジーを有する企業との接点を持つことは、大きな財産になり得ると考えていました。そんなときに森川さんを通じて知ったのが、フロムスクラッチでした。

矢矧 外部の方から見て、我々はどのように映ったのでしょうか。

椎名氏 最初に矢矧さんを含めたボードメンバーの方々と会食をしたとき、「これからの時代を創る人達が集まっている」と感じました。もちろん、会社の持つテクノロジーやプロダクト「b→dash」の可能性にも目を見張るものがありましたが、それ以上にフロムスクラッチという企業が放つ熱量の大きさや勢いを強烈に感じ、自分自身も「その近くに身を置きたい」と率直に思いました。

そこで私はすぐに「オフィスを見せて欲しい」とお願いしました。私は企業を見る時、オフィスを見ることを大切にしています。というのも、新しい価値をつくっていくイノベーティブな会社であるかどうかは、その物理的空間に明確に体現されるものだからです。

矢矧 「オフィスを見せて欲しい」とお聞きした時は、正直意外でした。企業を見る時は、もっとビジネスモデルや財務構造を見て判断するものだと思っていましたから。我々のオフィスをご覧になって、どう感じたのでしょうか。

椎名氏 シリコンバレーで見てきたオフィスと雰囲気が似ているな、と感じました。自由でクリエイティビティを促進する開放的な空間と業務環境。直接話した経営陣やその周辺のメンバーも実にユニークで、自由な発想を推奨する雰囲気に満ちていました。優秀な人材が集まり、そこで新たなコラボレーションが次々と生まれ、集合知が蓄積していく様子が見て取れました。斬新で本質的なアイディアが飛び交う刺激的な企業とかかわり、自分自身を活性化させていくことは、ビジネスパーソンとして、一人の人間として、私にとっては非常に大切なことです。フロムスクラッチのような企業に出会い、経営アドバイザリー支援業務を引き受ける機会に巡り合ったことに、感謝しています。

2. 変化に対応できる者だけが、新たな価値を創出できる

ーこれからのビジネスにおいて「データ」や「テクノロジー」はどのような存在になっていくのでしょうか。

矢矧 「データをどう活用するか」から「活用するためにデータをどう取得するのか」へと、パラダイムシフトが起きているように感じます。これまでは手元にあるデータをどう読み解き、ビジネスにどう活かしていくか、ということばかり取り沙汰されてきました。しかし、テクノロジーが進化したことにより、さまざまな角度から大量のデータを取得することが可能になりました。そこで、データをビジネスに活用するためには、「データをどう取得するか」の部分からすでに勝負が始まるようになったのだと考えています。椎名さんはどう思われますか?

椎名氏 全く同感です。 「どうやってデータを取得するか」というのは非常に大きな問題です。IoTが盛んに叫ばれていますが、注目すべき点は戦略的にどんなデータを取得していくべきか、ということです。そしてその先にあるのは、取得したデータをどう解釈するのか、誰のためにどんな活用をしていくのかということです。 現時点でも決算書をコンピュータで作り、それを判断するのもコンピュータということは珍しくありません。あまたあるIR情報をコンピュータが全て読み込み、株価を判断できる時代です。もしかしたら、そのうちに我々はAIが読みやすい報告書を書かないといけなくなるかもしれません(笑)。

たとえば、企業がHPを作成するときも、プロモーションの観点が最も重要となっており、googleの検索エンジンにヒットしやすいように、たくさんの工夫を施すのが当たり前になりました。今後、このようなルール改正が市場のいたるところで起きていくでしょう。データを活かすためにテクノロジーを駆使する時代から、テクノロジーを活かすためにデータ取得の戦略を立てる時代に代わり、それに即した事業を展開しないと勝ち残れない環境になったとも言えます。その点、フロムスクラッチはいち早くデータの重要性に気付き、それを実践している。マーケティング領域にとどまらず、ビジネスの根幹に入り込み、圧倒的な質と量のデータを記憶し続けています。